君よ然らば 旅立つ成らば 立ち止まる事勿れ
固結びの秘めた決意に 水を差す言葉は見当たらない
だから責めて 如何か其の儘 思い止む事勿れ
過ぎる日々に憂い募れば 覚悟は軈て感傷に為る
窓の外に流れて行く景色は 昨日よりも少しだけ足速に
次の季節を迎えようとして居る 其の扉を開けば 風立ち吹き抜ける
永遠の後先 遠ざかる其の影を 祈るように見送る事しか出来ない
餞の代わりに 責めて此の歌声を 高い壁に心挫けても眠れる様に
君よ然らば 旅路を行けば 目的を見失い
見知らぬ街 嘆き 苛立ち 孤独を抱く事も在るだろう
だけど責めて 苦海なれども 迷い病む事勿れ
願う糸を手繰り寄せれば 理想は時に現実と成る
光陰矢の如く 移り変わる時代の波打ち際 足跡は残らない
雑踏の中で誰が為に鐘は鳴る 其の瞼を閉じれば 途惑い行き去りぬ
万緑の太陽 解けて行く其の影に 気遣わしく 手を振る事さえ出来ない
餞の代わりに 如何か此の歌声を 通り雨に凍えない様に
専心 恐る恐るでも 一歩 踏み出せば 屹度 違う景色に出逢える筈さ
永遠の後先 焼き付けて其の姿 宇宙に昇り 見守り続ける星に成る
餞の代わりに 何時か此の歌声が 永い夜を切り裂く光に成ります様に
そして 願いが叶う其の瞬間と共に在れ
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